Quantum Detectors 社
高速フォトンカウンティングピクセル検出器 MerlinX
製品特長
- ノイズレス
- ゼロデッドタイムフレームレコーディング
- ピクセルピッチ 55µm
- 最大カウンター深度 24 bit ( 4カウンターモード:1 / 6 /12 / 24 bit )
- 検出レンジ 5 - 17keV
- フレームレート 21,000 – 900 Hz (ビット深度による)
MerlinXはMedipix3 ASICによる、フォトンカウンティングシステムを搭載したコンパクトな検出器です。
Medipix3とは、高速フレームレートと高ピクセル分解能に加え、チャージサミング機能によってチャージシェアリングの影響を低減し、高い検出精度を実現した技術です。
ピクセル毎に2つのカウンターが用いられており、フレーム間のデッドタイムをゼロにし、シームレスなデータ取得が可能です。
仕 様
ASIC | Medipix 3RX |
---|---|
ピクセルアレイ | 256 x 256 pixels / 512 x 512 pixels / 256 x 1024 pixels |
ピクセルサイズ | 55 μm x 55 μm square pixels |
センサー面積 | 14 mm x 14 mm / 28 mm x 28 mm / 14 x 56 mm |
センサー厚さ | 500 μm |
センサータイプ | 逆バイアス印加ハイブリッドシリコンダイオードアレイ |
最小露光時間 | 最小 1 マイクロ秒 |
ダイナミックレンジ | 1 / 6 / 12 / 24 bit configurable |
デッドタイム (continuous mode) | ゼロ |
最大フレームレート | 1825 Hz at 12 bit mode (continuous) |
閾値範囲 | 5 keV 以上 |
閾値分解能 | 1 keV |
最大トリガー応答ジッター | 20ns |
冷却 | 空冷 |
通信ケーブルタイプ | VHDCI |
通信ケーブル長さ | 1m ~ 10m |
多彩な計数モード
Medipix3 ASICには、複数の機能を設定・利用できるパワフルで斬新なカウンティングモードが備えられています。
・ゼロデッドタイム読出し 各ピクセルで2つのカウンターを交互に作動させられる為、各読出処理の間のデッドタイムを無くし、シームレスな検出システムを実現しました。 |
|
・最大深度24 bit カウンター 2つのカウンターを1つのカウンターとして接続し、24bitカウンターとして機能させることが可能です。 これにより、非常に強度の高い信号に隣接するように微弱信号が生じても即時に測定でき、ダイナミックレンジの高いイメージングも可能です。 |
|
・2つのエネルギー閾値が設定可能 2つのカウンターそれぞれに閾値を設定でき、エネルギーウィンドウモードとして利用することが可能です。これにより、閾値間のエネルギーでのフォトンイメージングや、既知のノイズレベル以上に閾値を設定してノイズを除去することも可能です。 |
|
・チャージサミングモード 右図のように、隣接するピクセル間にまたがるイベントによって電荷が発生した場合でも、ピクセル間で情報が共有され、イベントは再構成されます。 これにより、通常であれば閾値以下として失われてしまうデータも、再構成し扱われる為、分光精度が大幅に向上します。 |
インターフェース/読出用エレクトロニクス部
MerlinXにはデータ取得、収集を開始する為に必要な物は全て付属されております。読出し部には、NationalInstruments社のPXI FPGAシステムをベースにしたカスタム制御システムが用いられております。このエレクトロニクス部は耐久性と拡張性に優れ、長く製品をお使い頂けるように十分にサポートされたプラットフォームとなっています。
FPGAカードは産業用グレードの高性能PCと一体化されており、ディテクターヘッドは最長10mの高密度ケーブルリンクで接続されているので、システムへの取付も柔軟に行えます。MerlinXの動作には主電源以外の外部入力は必要無く、独自の直感的なグラフィカル・インターフェースに加え、TCP/IPベースのリモート・コントロール機能も実装しているため、TANGOやEPICSなどの他の制御システムとの統合も容易です。
イコライゼーションとキャリブレーション
MerlinXは出荷前に較正されており、インストール後すぐに最適な状態でお使い頂くことが可能です。場合によっては、別のアプリケーションに切り替えたり、全く異なるエネルギーの検出に用いるなど、再較正を望まれるケースがございます。このような場合に備え、高度なキャリブレーションルーチンプログラムがシステムに完備されております。これらは通常の操作には必要ありませんが、上級ユーザーがあらゆる場面で最適な状態でシステムを利用できるように調整するための機能です。